監修:聖マリアンナ医科大学小児科学 名誉教授 瀧 正志 先生
血友病は凝固因子の不足が原因であるため、凝固因子製剤を注射する補充療法が基本的な治療です。現在、家庭療法(在宅自己注射療法)として患者さんが自分で、または家族が患者さんに対して凝固因子製剤を注射することが健康保険で認められています。
患者さんは出血時に医療機関に行かなくても速やかに凝固因子の補充ができ、早期の止血が可能です。そうすることで、苦痛の時間が短くなり、血友病性関節症などの合併症のリスクを軽減できます。最近では、非出血時に定期的に凝固因子製剤を補充し、出血の防止を図る「定期補充療法」が行われています。
いずれにしても、注射という医療行為を医師免許のない患者さんやその家族が行うことになるため、家庭療法の目的・意義を十分に理解し、決まりを守って行うことが重要です。
家庭療法の目的・意義
患者さんやその家族の遵守事項
一般社団法人日本血栓止血学会「インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン2013年改訂版」より改変
※一部を除き、数字、組織名、所属、肩書等の情報は2024年10月時点の情報です。
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